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クリニック開業の物件はどう選ぶ?種類ごとの違いと見極める視点

クリニックの開業で、物件選びは後戻りのできない判断のひとつになります。設計や内装は後からいくらでも工夫できますが、物件そのものは、契約してしまうと簡単には変えられません。医療施設の設計に携わる立場からお伝えすると、開業してからの使いにくさの多くは、物件を決めた時点ですでに決まってしまっていることが少なくないのです。

本記事では、クリニック開業の物件について、種類ごとの違いと、立地や広さの見立て、契約前に確かめたい点の順に、設計の視点から整理してお伝えします。

物件で決まるものと、後から変えられるもの

物件を決めると、そこから先の選択肢はある程度決まります。天井の高さや柱の位置、電気容量や給排水の位置、建物の構造といった条件は、後から動かせないか、動かすとしても大きな費用がかかるものです。一方で、内装の雰囲気や仕上げ、家具の選び方などは、物件が決まってからでも十分に工夫できるでしょう。つまり物件選びとは、後から変えられない部分をどこまで自院に合わせられるかという判断にほかなりません。だからこそ、契約の前に、その場所で自院の診療が無理なく成り立つのかを確かめておきたいところです。

クリニック開業の物件は主に4つの種類がある

ひとくちに開業物件といっても、性格の違うものがいくつかあります。それぞれに向き不向きがあるため、自院の診療とどう噛み合うかで考えていきましょう。どれが優れているというものではなく、診療科や患者層、資金の計画によって、適した形は変わってきます。

ビルのテナント

駅前や幹線道路沿いのビルに入る形です。人の流れが多い場所を選びやすく、通いやすさの面では有利になります。一方で、上下階や隣の区画との関係で、給排水や電気容量、看板の出し方に制約が生まれることもあるでしょう。契約の前に、どこまで手を入れられるのかを確かめておきたいところです。

戸建て

土地を確保して建てる形や、一棟を借りる形です。間取りの自由度が高く、駐車場を確保しやすいため、車での来院が多い地域や、広い面積を要する診療科に向いています。そのぶん費用と準備の期間はかかり、建てる場合は建築の工程まで見込んでおきましょう。

医療モール

複数のクリニックが同じ建物に入る形です。ほかの科目との紹介が生まれやすく、調剤薬局や共用の設備が整っていることも多いため、開業のハードルは下がります。一方で、共用部のルールや、モール全体の方針に沿った運営が求められる場面もあり、自由度は限られてくるでしょう。

居抜き物件

前のクリニックが使っていた設備や内装が残っている物件です。使える部分が多いほど、費用と工期を抑えやすくなります。ただし、前の診療科と自分の診療が違えば、残された配置がかえって足かせになりかねません。見た目で判断せず、設備の状態や間取りが自院に合うのかを、専門家と一緒に確かめておくと安心でしょう。

立地と診療圏から考える

物件の条件が良くても、患者さんが来られなければ意味がありません。立地は、診療科と患者層から逆算して考えていきます。

診療科によって適した立地は変わる

小児科や内科のように日常的に通う科目では、住宅地からの近さや、ベビーカーでの入りやすさが効いてきます。一方で、専門性の高い科目であれば、遠方からでも訪れてもらえるため、駅からの分かりやすさや駐車場の有無が重要になるでしょう。近隣にどんな医療機関があるのか、どんな年齢層が住んでいるのかという診療圏の情報と合わせて考えると、判断の精度は上がっていきます。

通いやすさを自分の足で確かめる

図面や資料の上では良く見えても、実際に歩いてみると印象が変わることがあります。駅からの道のりに坂や階段はないか、入口は見つけやすいか、前面の道路から建物が認識できるかといった点は、現地でしか分かりません。曜日や時間帯を変えて訪れてみると、人の流れや周辺の様子も見えてきます。

物件選びで迷っている段階でも、医療施設の設計に特化したラカリテにお気軽にご相談ください。

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広さと間取りの見立て

物件の広さは、坪数の数字だけでは判断できません。同じ坪数でも、柱の位置や形が違えば、取れる部屋の数は変わってきます。細長い形や、柱が中央にある物件では、診察室や待合をうまく納めきれないこともあるでしょう。必要な部屋と広さを先に整理しておき、その物件で成り立つかどうかを図面の上で確かめておくと、契約してから困る事態を避けられます。将来、機器を増やしたり診療科目を広げたりする可能性があるなら、その余白まで見込んでおきたいところです。天井の高さも見落としやすい条件のひとつで、空調や配管を通すゆとりがないと、思い描いた照明や設備の配置が実現できないこともあるでしょう。

契約の前に確かめておきたいこと

物件を決める前に、確認しておきたい条件がいくつかあります。医療での利用が認められているか、設備の増設ができるか、退去のときの原状回復はどこまで求められるかといった点は、契約を交わしてからでは動かせません。電気容量や給排水、天井裏に配管を通せるかといった設備面の条件も、導入したい機器が決まっているなら、この段階で確かめておく必要があります。気になる物件が出たら、医療施設の設計に慣れた相手に内見へ同席してもらうと、その場でおおよその可否を見極められるでしょう。

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物件探しはいつ、誰に相談するか

物件は、探しはじめてすぐに理想的なものが見つかるとは限りません。診療圏の調査や資金の計画と並行して進め、良い物件が出たときにすぐ動けるよう、判断の軸を先に決めておくことが大切になります。相談する相手としては、医療系の物件を扱う不動産会社や、開業を支援するコンサルタントが挙げられます。あわせて、設計の視点から物件を見られる相手にも早い段階で加わってもらうと、その場所で自院の診療が成り立つかを、契約の前に判断できるようになるでしょう。

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クリニック開業の物件選びはラカリテにご相談を

クリニック開業の物件選びは、後から変えられない条件をどこまで自院に合わせられるかという判断です。ビルのテナント、戸建て、医療モール、居抜きという種類ごとの性格を押さえ、診療科と患者層から立地を考え、広さは坪数ではなく間取りが成り立つかで見立てていくと、判断の軸が定まっていきます。そして、契約の前に設備と契約条件を確かめておくことが、開業してからの後戻りを防いでくれるでしょう。

ラカリテは、医療施設の設計と内装を専門とする設計事務所として、新規開業から分院展開、承継にともなう改修まで幅広くお手伝いしています。医療施設の設計実績は500件を超え、東京と大阪の拠点から全国のご相談に対応してきました。物件の内見への同席から、設計、施工、開業後のフォローまで、一貫してお手伝いできる体制を整えています。気になる物件があるけれど判断に迷うという段階でも、まずは思い描いている診療の姿をお聞かせください。その場所で診療が成り立つかを、一緒に確かめていきましょう。

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