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クリニック開業の流れは?3つの段階で見る準備から開院までの道筋

クリニックの開業を思い立つと、まず知りたくなるのが、何から始めてどんな順番で進むのかという全体の流れではないでしょうか。多くの開業ガイドでは十数個の工程が一覧で並びますが、項目が多いほど、頭のなかで全体像を描きにくくなります。そこで本記事では、開業の流れを大きく3つの段階に分け、並行して動く作業も合わせて整理してお伝えします。医療施設の設計に携わる立場から、流れの勘所も添えていきましょう。

クリニック開業の流れをつかむ3つの段階

クリニック開業の道のりは、構想期、準備期、開業直前期という3つの段階に分けると見通しがよくなります。構想期は開業の方向性と土台を決める時期、準備期は設計や採用などを並行して進める時期、開業直前期は届出と最終準備を整える時期にあたります。

ここで知っておきたいのは、流れは必ずしも一本道ではないという点です。設計と工事、医療機器の選定、スタッフ採用、集患の準備は、ある時期から同時並行で進んでいきます。そのなかでも設計と工事は、前の工程が終わらないと次に進みにくく、全体の進み具合を左右しやすい部分です。つまり、設計をいかに早く固められるかが、流れ全体のテンポを決めるといってよいでしょう。

構想期にやること

構想期は、開業のおおよそ1年から1年半前に動き出す、土台づくりの時期です。ここで方向性を固めておくほど、後の工程で迷いが減っていくでしょう。

開業の決意とコンセプトづくり

最初の一歩は、どんな患者さんに、どんな医療を届けたいのか?というコンセプトを言葉にすることです。診療科や立地、規模といった意向のすべての判断は、このコンセプトを軸に決まっていきます。漠然としたままで物件や設計に進むと、途中で方針が揺らぎ、手戻りが生じやすくなります。一文で語れるくらいまで明確にしておくと、その後の流れが大きく変わってくるでしょう。

診療圏調査と物件選び

方向性が定まったら、診療圏調査でその場所にどれくらいの患者さんが見込めるかを確かめ、物件を探していきます。ここで見落とされやすいのが、物件のかたちや設備によってが設計や工事の自由度を大きく左右するという点です。天井の高さや柱の位置、電気容量や給排水の条件によって、実現できる動線や設備は変わってきます。気になる物件が見つかった段階で、医療施設の設計に明るい設計事務所へ相談しておくと、契約後の後悔を防ぎやすくなるでしょう。設計事務所の選び方は、別の記事で詳しく触れています。

事業計画づくりと資金の相談

コンセプトと物件のめどが立つと、事業計画の作成に進みます。診療圏調査の結果や見込みを踏まえ、開業後の運営を見通す計画にまとめていく作業です。金融機関への相談もこの段階から始まり、計画の内容が、その後の準備全体の土台になります。具体的な資金の組み立ては税理士や金融機関と相談しながら進めるのが一般的で、医療機関の開業支援に慣れた相手を選ぶと話が早く進むでしょう。

準備期にやること

物件が決まると、いよいよ準備期に入ります。この時期の特徴は、性質の異なる作業が同時に動き出すことです。設計と工事を中心に、医療機器の選定、スタッフ採用、集患の準備が並行して進んでいきます。どれかひとつが遅れると開院日に響くため、全体を見渡しながら進める意識が欠かせません。

設計と内装工事

準備期の中心になるのが、設計と内装工事です。コンセプトと診療動線を図面に落とし込み、医療法や施設基準を満たしながら、患者さんとスタッフの動きを設計していきます。図面が固まれば工事へと進み、診療科に応じた設備を造り込んでいくでしょう。ここで図面を詰め切らないまま工事に入ると、途中の仕様変更で工期が延びやすくなるため、設計段階での作り込みが流れ全体を左右するといってよいでしょう。

医療機器の選定とスタッフ採用

設計と並行して、医療機器の選定やスタッフ採用も進めていきます。医療機器は機種によって納期が数か月に及ぶものもあり、選定が遅れると開院に間に合わないおそれがあります。スタッフ採用も、求人から面接、研修までに時間がかかるため、早めの着手が安心につながるでしょう。採用や物件、設計をどの順で進めるかは、開業準備の順番を扱った記事でも整理しています。

設計と工事を流れの軸に据えてスケジュールを描きたい方は、医療施設の設計に特化したラカリテにお気軽にご相談ください。

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開業直前期にやること

工事の完成が見えてくると、開業直前期に入ります。届出や最終準備を、開院日に合わせて着地させていく時期です。

行政手続きと届出

クリニックを開設したときは、医療法第8条により、開設後10日以内に保健所へ開設届を提出する必要があります(出典)。保険診療を行う場合は、続けて厚生局へ保険医療機関指定の申請を行い、実際に保険診療を始められるのは指定を受けた後になります。届出の前には保健所との事前相談も必要なため、工事の完了時期から逆算して動いておくと安心でしょう。

集患の準備と内覧会

開院が近づいたら、Webサイトの公開や案内の用意など、患者さんに知ってもらうための集患を進めます。地域への告知や内覧会は、開院初日の患者数を左右する大切な機会になります。スタッフの研修もこの時期に行い、開院初日から落ち着いて診療できる体制を整えておきましょう。

保健所の確認と最終点検

開設届の前後には、保健所による構造設備の確認が入る場合があります。図面どおりに造られているか、必要な設備が整っているかなどが見られるため、工事の仕上がりと書類を早めにそろえておくと安心です。あわせて、医療機器の動作確認やスタッフの動きの最終リハーサルを済ませておくと、開院初日を落ち着いて迎えられるでしょう。

開業と開院はどう違うのか

流れを追っていくと、開業と開院という似た言葉に迷うことがあるかもしれません。明確な線引きがあるわけではありませんが、一般には、事業として医院を始める一連の取り組みを開業と呼び、実際に診療をスタートする日を開院と呼ぶことが多いでしょう。届出の上では、保健所へ届け出る開設日と、保険診療を始める日が分かれる場合もあります。言葉の意味を押さえておくと、業者や行政とのやり取りで認識のずれを防ぎやすくなるでしょう。

流れをスムーズに進める考え方

最後に、開業の流れ全体を滞りなく進めるための考え方を3つお伝えします。

1つ目は、開院日を先に決めて逆算することです。ゴールが定まると、各工程の締切がはっきりし、判断の迷いが減っていきます。

2つ目は、並行して動く作業を一覧で見える化することです。設計、機器、採用、集患、届出のどれが今どの段階にあるかを把握できると、遅れの兆しに早く気づけます。

3つ目は、早い段階から専門家の力を借りることです。開業コンサルタントや税理士、設計事務所など、場面ごとに頼れる相手を巻き込むと、院長先生は診療の構想に集中しやすくなるでしょう。

クリニック開業の流れづくりはラカリテにご相談を

クリニック開業の流れは、構想期に方向性を固め、準備期に設計と工事を軸として複数の作業を並行で進め、開業直前期に届出と最終準備を整える、という3つの段階で捉えると見通しが立てやすくなります。なかでも設計と工事は流れ全体のテンポを左右するため、早い段階から計画に織り込んでおくことが、予定どおりの開院につながるでしょう。

ラカリテは、医療施設の設計と内装を専門とする設計事務所として、新規開業から分院展開、承継にともなう改修まで幅広くお手伝いしています。開業の流れをどう組み立てるか迷っている段階でも、まずは思い描いている診療の姿をお聞かせください。全体の道筋から、一緒に描いていきましょう。


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