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クリニック開業にかかる期間は?逆算スケジュールと遅れを防ぐ要点

クリニックの開業を意識し始めると、まず気になるのが、開院までにどのくらいの期間がかかるのかという点ではないでしょうか。一般的には構想から開院まで1年から1年半ほどが目安とされますが、その内訳や、どの工程が期間を左右するのかまでは意外と知られていません。とりわけ設計や工事の進み方は、開業日の前後を決める大きな要素になります。

ここでは医療施設の設計に携わる立場から、開業期間の現実的な見通しと、遅れを防ぐための逆算の考え方を整理してお伝えしましょう。

クリニック開業にかかる期間の目安

検討開始から開院までは1年から1年半

結論から言えば、クリニックの開業には、本格的に検討を始めてから開院まで、おおよそ1年から1年半ほどの期間を見ておくと安心です。もちろん診療科や物件の状態によって幅はありますが、この長さには明確な理由があります。物件探しや診療圏の見極め、設計と工事、医療機器の選定、スタッフ採用、行政手続きといった性質の異なる作業を、順番に、ときに並行して進める必要があるからです。焦って短くしようとすると、どこかにしわ寄せが出て、開業後の運営に響くことも少なくありません。

本格的に動く準備期間は8か月から12か月

1年から1年半という全体像のうち、実際に手足を動かす本格的な準備期間は、8か月から12か月ほどに収まるケースが多いでしょう。はじめの数か月は、開業のコンセプトを固めたり情報を集めたりする助走の時間にあたります。この助走をていねいに踏んでおくと、後半の工程で迷いが減り、結果として期間の短縮にもつながるでしょう。逆に、思いつきで物件を決めてしまうと、設計の段階で手戻りが生じ、かえって遠回りになりかねません。

開業期間を月単位で見た流れ

開業日から逆算してスケジュールを組むと、いつ何に着手すべきかが見えてきます。ここでは無床のクリニックを念頭に、大きく3つの時期に分けて流れを追っていきましょう。

12か月前から6か月前(構想・物件・設計)

この時期は、開業の土台をつくる期間にあたります。診療コンセプトを固め、診療圏調査で立地の見込みを確かめ、物件を選定し、並行して設計事務所と内装の方向性を詰めていきます。物件が決まると設計が動き出し、医療機器のおおまかな選定もこの頃から始まるでしょう。ここで方針がぶれなければ、後の工程は驚くほど滑らかに進むものです。診療圏調査や物件の比較には、想像以上に時間がかかることもあります。気に入った物件がすぐ見つかるとは限らず、候補を絞り込むだけで数か月を費やすケースも少なくないでしょう。設計事務所を選ぶのもこの時期で、医療施設の実績がある相手を早めに見つけておくと、後の設計と工事がぐっと進めやすくなります。

6か月前から3か月前(工事・採用の本格化)

設計が固まると、内装工事が始まります。診療科に応じた動線や設備の位置を反映しながら、数週間から2か月ほどかけて空間がかたちになっていくでしょう。工事にかかる期間は、物件の状態や診療科によって変わります。レントゲン室の遮蔽や特殊な配管が必要な診療科では、そのぶん工程が増えるためです。スケジュールに余裕がないと、この時期の遅れがそのまま開院日に響いてしまいます。同じ時期に、スタッフの採用や、税理士や社会保険労務士との契約も進めておくと安心です。工事と採用と集患準備が重なる、開業準備でもっとも慌ただしい時期だと言えます。

3か月前から開院(申請・最終準備)

工事の完了が見えてきたら、行政手続きと最終準備の段階に入ります。保健所への開設届、厚生局への保険医療機関指定申請、医療機器の搬入、スタッフ研修、Webサイトの公開などを、開院日に合わせて着地させていきましょう。ここでの段取りの精度が、予定どおりに開院できるかどうかを分けます。

開業期間を大きく左右する設計と工事の進み方

開業全体の期間を語るうえで見落とされがちなのが、設計と工事にかかる時間です。多くの工程は同時に進められますが、設計と工事だけは前の工程が終わらないと次へ進めない、いわば一本道の作業になりやすいといえます。だからこそ、この部分の段取りが全体の期間を決めると言っても言い過ぎではないでしょう。

物件タイプで工事にかかる期間が変わる

工事期間は、選んだ物件のタイプによって大きく変わります。内装も設備も何もないスケルトン物件では、配管や電気から造り込む必要があり、そのぶん工事に時間がかかるでしょう。一方で前のテナントの設備を生かせる居抜き物件なら、工事を短く抑えられる場合もあります。ただし医療機関の居抜きであっても、診療科が変われば使えない設備は意外と多く、安易な期間短縮を当て込むのは避けたほうが賢明です。

設計段階で決め切ることが期間を縮める

意外に思われるかもしれませんが、開業期間を縮める最大の鍵は、工事のスピードよりも設計段階の意思決定にあります。図面が固まらないまま工事に入ると、途中での仕様変更が発生し、手戻りや追加工事で工期が長期化するでしょう。逆に、診療動線や設備の位置を設計のうちに詰め切っておけば、工事は計画どおりに進みやすくなります。医療施設の設計に慣れた事務所であれば、後から問題になりやすい点を先回りして図面に落とし込めるため、結果として全体の期間も安定しやすくなるでしょう。

開業日から逆算した設計と工事のスケジュールづくりでお悩みでしたら、医療施設の設計に特化したラカリテにお気軽にご相談ください。

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工期が延びやすい原因と前倒しの工夫

予定どおりに開院するためには、遅れの原因をあらかじめ知り、先回りで手を打っておくことが欠かせません。現場で実際につまずきやすいポイントを、いくつか取り上げてみましょう。

保険医療機関の指定は月に一度のタイミングしかない

見落とされやすいのが、保険診療を始めるための手続きです。地方厚生局による保険医療機関の指定は、原則として毎月1日付で行われます。(出典:保険医療機関・保険薬局の指定申請の流れ)つまり締切に間に合わなければ、開院が丸ごと1か月先へずれてしまう場合があります。締切日は地域の厚生局ごとに異なるため、開業地が決まった段階で必ず確認し、内装工事や開設届の予定を指定日から逆算しておきたいところです。工事の遅れがそのまま指定の遅れに直結する点は、特に意識しておきましょう。

医療機器の納期と工事中の仕様変更

もうひとつ期間に響きやすいのが、医療機器の納期です。機種によっては発注から搬入まで数か月を要するものもあり、選定が遅れると開院日に間に合わないおそれがあります。工事が始まってからの仕様変更も、遅れの典型的な原因になるでしょう。先に触れたとおり、設計の段階でできるだけ決め切っておくことが、こうした遅れを防ぐ近道になります。

開院時期の決め方とスケジュールの余裕

開院日を先に決めて逆算する

期間を管理するうえで効果的なのが、ゴールである開院日を先に決めてしまう進め方です。開院日が定まると、保険医療機関の指定日や工事の完了時期、設計の着手時期が芋づる式に決まっていきます。漠然と1年くらいと構えて進めるよりも、特定の月の1日を開院日に据えて逆算するほうが、各工程の締切がはっきりし、判断の迷いも減るでしょう。診療科によっては、患者が動きやすい時期に開院日を合わせるという考え方もあります。

スケジュールには余裕を見込んでおく

どれだけ綿密に組んでも、工事や行政手続きには想定外がつきものです。資材の入荷遅れ、図面の修正、書類の差し戻しなど、数日から数週間の遅れはどの工程でも起こり得ます。そのため、開院日の手前に1か月ほどの予備期間をあらかじめ織り込んでおくと、不測の事態が起きても落ち着いて対応できます。逆算でぎりぎりに組んだ計画ほど、ひとつの遅れが全体に波及しやすい点は意識しておきたいところです。

新規開業と承継・改修で変わる期間

ここまでは新規開業を前提に話を進めてきましたが、医院の承継や改修では、期間の考え方が少し変わってきます。承継の場合、既存の患者基盤や設備を引き継げる分、ゼロからの立ち上げより短く進められることもあるでしょう。一方で、引き継いだ施設を現行の基準や自分の診療方針に合わせて改修するとなると、その工事や手続きに別途の時間が必要になります。

改修では診療を続けながら工事を進めることも多く、工事を分割する分、新規開業とは異なる工程管理が求められます。新規開業か、承継か、改修かによって見込むべき期間は変わってくるため、自分がどの道を選ぶのかを早めに定めておくと、計画に無理が出にくくなるでしょう。

開業スケジュールの設計はラカリテにご相談を

クリニックの開業にかかる期間は、構想から開院までおおよそ1年から1年半が目安になりますが、その長さを左右するのは、設計と工事をどれだけ計画的に進められるかという点に尽きます。図面を早い段階で固め、保険医療機関の指定日から逆算して工程を組めば、予定どおりの開院はぐっと現実的になるでしょう。

ラカリテは、医療施設の設計と内装を専門とする設計事務所として、新規開業から分院展開、承継にともなう改修まで、開業スケジュールづくりを幅広くお手伝いしています。開院までの期間にお悩みでしたら、まずは構想の段階からお気軽にお聞かせください。無理のない計画を、一緒に描いていきましょう。

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