Tokyo Office

〒140-0015
東京都品川区西大井4-18-9
Google Map

Osaka Office

〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町1-1-2
シエリアタワー千里中央2106
Google Map

© 2025 株式会社ラカリテ

分院展開を成功させる内装会社の選び方とは?本院の体験を再現する設計の勘所

本院の経営が軌道に乗り、2院目の構想が現実味を帯びてきた段階で、多くの理事長が最初に迷うのが内装会社の選定です。新規開業のときと同じ感覚で業者を探してしまうと、本院で積み上げてきた強みが分院に引き継がれず、まるで別の医院ができあがってしまうことも珍しくありません。分院展開における内装は、ゼロから創り出す作業ではなく、すでにある成功を別の場所で再現する作業だからこそ、選ぶべき相手の条件も変わってきます。

この記事では、医療施設を専門に設計施工を手がけてきたラカリテの視点から、分院展開ならではの内装会社選びを整理してみましょう。新規開業向けの解説には出てこない、2院目以降だからこそ問われる論点に絞ってお伝えしていきます。

分院展開の内装は新規開業と何が違うのか

ここを取り違えると、内装会社を選ぶ軸そのものがずれてしまいます。新規開業の内装は、院長が思い描く理想を白紙の上に描いていく作業に近いものでした。これに対して分院の内装は、本院という完成した実例を手元に持った状態から始まります。比較できる手本がはっきり存在するかどうかが、両者を分ける最も大きな違いだといえるでしょう。

一から作るのではなく成功の再現が出発点になる

患者さんが本院に通い続けてくれている理由は、診療の質だけではありません。待合室の落ち着き、受付までの動線のわかりやすさ、診察室に入るまでの心理的なハードルの低さなど、空間が生み出す体験が確実に効いています。分院展開で本当に再現すべき対象は、内装の見た目ではなく、こうした体験のほうにあるのではないでしょうか。

仮に本院の待合が「静かに待てる」と評価されているなら、その静けさを生んでいるものが壁の素材なのか、座席の配置なのか、それとも音の伝わり方なのかを、言葉にして整理しておく価値があります。表面のデザインだけを真似て同じ色や素材を選んでも、商圏も区画の形も異なる分院で同じ体験がよみがえるとは限りません。経験を積んだ内装会社であれば、本院で効いている要素を一度分解し、新しい物件の条件に合わせて翻訳し直してくれるはずです。

医療法人化と二箇所管理の禁止という前提

実務の面で見落とされやすいのが、分院展開そのものが新規開業とは違う法的な枠組みの上に成り立っている点です。医師は自らが管理しない診療所を原則として開設できないという二箇所管理の考え方があり、本院の管理者である理事長が自分の名義のまま分院を開いて管理者を兼ねることは、原則として認められていません。

そのため分院展開では、医療法人を設立し、法人が開設者となったうえで、分院には別の医師を管理者として据える形が一般的になります。個人の診療所が一カ所までであるのに対し、医療法人なら複数の分院を運営できます。(出典:マネーフォワード クラウド会社設立

この差こそが、法人化を分院展開の前提とする大きな理由だといえるでしょう。行政手続きの面でも、法人の認可、診療所の廃止と開設、登記、保険医療機関の再指定などが重なり、新規開業より工程が長く伸びます。内装会社を選ぶ場面でも、この長い段取りに歩調を合わせて動ける相手かどうかが問われてきます。

分院の内装会社に求められる3つの視点

分院展開で内装会社に期待する役割は、新規開業のときより一段広がります。図面を引いて工事をまとめるだけでなく、本院の資産をどう引き継ぐかという経営の視点が欠かせません。ここでは特に重要な3つの視点を取り上げます。

本院のブランドを翻訳する力

分院に求められるのは、本院のコピーではなく、同じ価値観を別の土地で表現し直すことです。本院が温かみのある木目調で支持を集めているとしても、分院の入る区画が天井の低いビルテナントであれば、まったく同じ仕上げが最適とは限りません。素材感や色のトーンといった「らしさ」の核を保ちながら、現地の条件に合わせて細部を変えていく姿勢が欠かせません。この翻訳ができる会社かどうかが、分院がグループの一員として自然に見えるか、それともちぐはぐに映るかを左右します。

過去の施工事例を見るときも、見た目の華やかさだけでなく、診療科や立地が違っても一貫したトーンを保てているかに注目すると、翻訳力の有無が見えてきます。ラカリテの施工事例のように、内科から眼科、産婦人科まで幅広い診療科を手がけている会社であれば、科目をまたいでもブランドを保つ引き出しを備えているといえるでしょう。

▶ ラカリテの施工事例はこちらから

2院目以降だからこそ効くコスト設計

分院展開の隠れた利点は、本院づくりで得た知見をそのままコスト削減へ転用できる点にあります。本院で採用した什器や建材、図面の考え方を標準仕様としてまとめておけば、2院目以降は仕様検討にかかる時間も発注の手間も減らせるでしょう。医療法人としてグループ全体でまとめて調達すれば、消耗品や設備の単価を抑えやすくなる効果も見込めます。

ただし、標準化を効かせすぎると、商圏に合わない画一的な医院になりかねません。標準仕様で固める部分と、その土地の患者層に合わせて個別に判断する部分を切り分けられるかどうかが、コストと満足度を両立させる分かれ目になります。安さだけを前面に出す会社よりも、どこにお金をかけ、どこを抑えるのかという優先順位を一緒に描いてくれる会社のほうが、結果として無駄の少ない投資につながりやすいといえるでしょう。見積もりを依頼する際には、本院の仕様をどこまで流用でき、どこに追加費用が生じるのかを早い段階で整理してくれるかどうかを確かめておきたいところです。

理事長が常駐しない運営を支える動線

本院では院長が常に院内にいて、細かな判断をその場でさばいてきたはずです。ところが分院では、理事長は本院との掛け持ちになり、現場には分院長やスタッフだけが残る時間が長くなるでしょう。つまり分院の空間は、トップが不在でも回るように設計されている必要があるわけです。

受付からスタッフの控室、各診察室への動線が、口頭での指示に頼らなくても自然に成立するか。物品の補充や器材の管理が、誰が見ても迷わない配置になっているか。こうした運営目線の動線設計は、図面を眺めるだけでは判断しづらく、実際に複数の医院運営を見てきた会社ほど勘所を押さえています。内装会社との打ち合わせでは、デザインの話と同じ熱量で人の動きの話ができる相手かを確かめておくとよいでしょう。

物件選定の段階から関わってもらう意味

分院展開の成否は、契約する物件で大半が決まると言っても言い過ぎではありません。良い内装会社ほど、物件が決まってから呼ばれるのではなく、物件を選ぶ前から相談に加わることの価値を理解しています。

本院と分院では商圏が変わる

同じ法人が運営していても、本院と分院では駅からの距離も周辺の人口構成も競合の数も異なります。本院がファミリー層に支持されていたとしても、分院の周辺がオフィス街であれば、求められる診療時間も待合の規模も変わってくるでしょう。物件を見る段階で、その立地にどんな患者層が集まり、どれくらいの規模の内装が妥当なのかを一緒に考えてくれる会社であれば、過大な投資も過小な投資も避けやすくなります。

設備の可否は内見の段階でしか見抜けない

医療施設はレントゲン室の防護や十分な電気容量、給排水や換気の経路など、一般の店舗にはない設備条件を満たさなければなりません。これらが既存の区画で実現できるかどうかは、契約後に図面を引き始めてから判明したのでは手遅れになりがちです。物件の内見に同席し、設備面のチェックをその場で行える会社なら、後から大きな追加工事が発生する事態を未然に防ぎやすくなるでしょう。

ラカリテでも、物件の内見に同席して概要を聞き取り、設備的なチェックとアドバイスを行う進め方をとっています。打ち合わせの場で「これは必要ですか」と経験から提案し、ドクターに判断してもらう形を重ねることで、後から「これは見積もりに含まれていません」という追加が起きにくくなる点を強みとしているのです。分院展開のように工程が長い案件ほど、こうした前倒しの関与が効いてくるでしょう。

前の医療施設の居抜きをどう見極めるか

分院のコストを抑える有力な手段が、前に医療施設が入っていた区画を居抜きで引き継ぐ方法です。給排水や電気の容量、診察室の区画など、医療向けに整えられた設備をそのまま活かせれば、スケルトンから作り直すより工期も費用も圧縮できる場合があります。ただし、前の科目と自院の診療内容が異なると、せっかくの設備が使えず、かえって解体や作り替えの費用がかさむことも少なくありません。居抜きの良し悪しは、残された設備の何が再利用でき、何が自院の診療に合わないのかを、内見の段階で冷静に切り分けられるかにかかっています。ここでも、医療施設の設備を熟知した会社が同席しているかどうかで、判断の精度は大きく変わってきます。

分院候補の区画が見つかった段階こそ、図面化に進む前に専門の会社へ相談してみてはいかがでしょうか。ラカリテでは物件選びの段階からの相談にも応じていますので、迷ったときは早めに声をかけてみてください。

▶ お問い合わせはこちら

設計施工を一貫して任せられる会社が分院展開で強い理由

設計を担う会社と施工を担う会社が分かれていると、本院の仕様を分院に伝える際に必ず情報の受け渡しが発生します。新規開業なら一度きりで済む手間も、分院展開では展開のたびに繰り返され、伝言の途中で本院の意図が薄れてしまう懸念も残るでしょう。

設計から施工までを1つの会社が担う体制であれば、本院を手がけた担当者がそのまま分院の図面と工事に関わることができ、言葉にしづらい「らしさ」も引き継がれやすくなります。工事の途中で隠れてしまう下地や配線、配管といった部分の品質も、設計時の意図を知る同じ会社が確認するほうが安心ではないでしょうか。ラカリテが設計施工という立場を基本にしているのも、10年20年と使い続けられる品質を守るには一貫した体制が欠かせないという考えからきています。

分院展開を見据えるなら、一院ごとの工事を完結させて終わる会社よりも、本院から分院、さらにその先の改修や承継まで長く伴走できる会社のほうが、結果として総コストも手間も抑えられる場合が多いといえるでしょう。

分院展開の内装会社を見極める質問

最後に、面談の場でそのまま使える確認の切り口をいくつか取り上げます。いずれも、相手が分院展開の本質を理解しているかどうかが表れる問いではないでしょうか。

1つ目は、本院の図面や仕様をどこまで流用でき、どこに新たな費用が生じるのかという質問です。明確に切り分けて答えられる会社は、標準化と個別対応のバランスを日頃から意識しているといえます。

2つ目は、理事長が常駐しない前提で動線をどう設計するのかという質問でしょう。運営目線を持つ会社ほど、具体的な配置の工夫を語れるはずです。

3つ目は、物件の内見から関わってもらえるのか、その際に設備面のどこを見るのかという質問になります。ここで具体的なチェック項目が出てくる会社は、契約後の手戻りを減らす力を備えているといえるでしょう。

これらの問いに、過去の経験を踏まえた具体的な答えが返ってくるかどうかが見極めの鍵です。抽象的な美辞麗句ではなく、現場の手順で語れる相手こそ、分院展開を任せるに値するパートナーだといえるでしょう。

分院展開の内装はラカリテへご相談を

分院展開は、本院で築いた信頼と体験を、新しい土地でもう一度かたちにする挑戦です。だからこそ内装会社には、デザインの美しさだけでなく、本院の強みを翻訳する力、長い手続きに歩調を合わせる進行管理、そして理事長が離れても回る運営目線が同時に求められるのではないでしょうか。

ラカリテは医療施設の設計と内装を専門とする設計事務所として、東京と大阪を拠点に、開業後の改修や承継、医療法人化後の分院展開まで一貫して支える体制を整えています。物件選びの段階からのご相談にも応じておりますので、2院目以降の構想をお持ちの場合は、お気軽にお問い合わせください。本院の体験を引き継ぐ分院づくりを、計画の入り口からご一緒します。

▶ お問い合わせはこちら